先日の決算説明会の中で、現在の魚ポチは中小の個店がメイン顧客である一方、スーパーなどチェーン店とのお取引も進めていきたいと話していたが、現実的に可能なのでしょうか。スーパーなどが魚ポチを利用する場合、現状の調達網と比べて具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか
まず大枠の考え方として、われわれの長期的な成長は、ミッションである「世界の食をもっと楽しく」ということと、ビジョンである「生鮮流通に新しい循環を」もたらしていくことを実現させていくことだと考えています。その観点でプラットフォーム戦略を進めていくことが、より具体的な成長になっていくと考えています。プラットフォームは既存のサービスにとらわれず、各サービスを進めていく中で得られた機会を新しいサービスに繋げていければと考えています。
ご質問いただいたスーパーやチェーン店との取引に関しては、魚ポチというサービスにとらわれずに、もう少し広い視野で捉えているという考え方です。魚ポチは、プラットフォーム内であくまで中小飲食店の利便性に最適化させていく、利便性が上がるようにしていきたいと考えております。また具体的なサービスに関しては、いろいろと考えているところはあり、動いている部分もあるのですが、現時点ではまだお伝えしきれないところもあります。曖昧な回答で大変恐縮なのですがご了承いただければと思います。
一つ補足すると、スーパーマーケットの仕入れのニーズ自体変わり始めていると思っています。元々スーパーのビジネスモデルとしては、大量に安く仕入れて、そして安く売る、そしてその差分を得る形だったと思っています。ですが、まさにこれはわれわれが sakana bacca というサービスが提供できている背景にもなっていると思うのですが、エンドユーザーの消費者の皆さん、スーパーマーケットの魚コーナーに対して、やや物足りなさを感じている部分があるのではないかなと思っています。そうでなければ、われわれが sakana bacca を出店して、街の中には既にスーパーマーケットがあるのに、わざわざ魚だけをわれわれのお店に買いに来てくださる行動はなさらないのではないかと思っています。 したがって、世の中が非常に便利に、一定の規格品を手頃な値段で買えればいいというニーズから、よりおいしいものをしっかりお金を払って買いたいのだと、そういうニーズの多様化は世の中の流れとしては起きてきているのではないかと思います。
最近スーパーマーケットから問合せとしてもあるのは、売り場をどういう風につくっていけばいいのか相談に乗ってほしいとか、そういったお話をいただく機会もあります。sakana bacca をやっている意味である魚に適正価値をつけて売る機能を持っていることが、いずれプラットフォームに必要になってくるのではないかと思ったことが、少しずつ世の中にも実現しつつあるのかなと感じるのが、今のお話の事例です。
実は数週間前に、大手のスーパーマーケットさんからご依頼をいただいて、一部の売り場をsakana bacca で提供して催事をしました。それは、まさにお客様のニーズに対して、売り場に変化をつけて、お客様をお店に集めていきたいニーズがあったから、われわれにお声がかかったのだと考えております。以前のようなスーパーマーケットさんのニーズだけで捉えると、どうやって商品を供給すればいいのかというと、われわれが供給する手立ては難しかったわけですが、そういったニーズの変化に対して、少しずつ多様な魚を調達したいというニーズも出てきているのは、最近実感していることであります。