質問

大株主のサイバーエージェント様との関係性を教えてください。

回答

藤田社長とは同い年なんですね。初めて出会ったのは、15年前にお台場の「THE SOHO」を作った時の物件完成披露イベントで、藤田社長を呼んで登壇してもらったときです。当時、ヴェルディの業務提携・資本提携からの撤退の頃で、サッカーチームは駄目だなと言っていた記憶があります。そんな話をした記憶があります。今は、町田ゼルビアに期待したいですね。藤田社長とはその時以来、あまり交流はありませんでした。ただ、藤田社長の色んな本を読んで、同い年ですし、一流の起業家というと藤田社長のような印象があって、いつかこの人と働きたいなとは思っていました。 一方で、私がリアルゲイトを15年前に作った時は、サラリーマンから会社を作ったばかりで、株の知識は全くありませんでした。当時一緒に色んな事業をやっていたトランジットジェネラルオフィスという飲食店中心の会社の不動産部門を作ってもらい、100%子会社としてスタートしたのがリアルゲイトです。リアルゲイトを作って10年くらいすると、不動産部門は調子が良かったのですが、一方で飲食店の方 は、不動産とお金の使い方も違うので、同じグループだと不動産の融資を受けるのが難しく、成長の阻害要因になってきました。そこで考えたのが株式上場でした。私が一部の株を実株でもらって、切り離して上場したいと考えましたが、未上場会社の子会社上場は厳しいと言われました。それでも、みずほ証券をつけて上場計画をスタートしました。それが約5年前のことです。順調に上場準備を進め、東証への申請直前までいきましたが、その半年前にコロナ禍となったことが影響し、飲食店を中心とした親会社が債務超過状態になったため、上場がストップしてしまいました。 上場するためには親会社を変えるしかないと証券会社に言われ、元親会社は高く買ってくれそうなファンドなどを株式の譲渡先として呼んできました。しかし、私としては不動産系の会社の下にはなりたくありませんでした。そこで、自由度を保ちつつ上場を認めてくれる会社を探した結果、藤田社長 に話をしたんです。 あまり言ってはいけないかもしれませんが、2週間くらいで決断してくれて、「いいですね、いくらですか」「60億です」みたいなやり取りがあったと思います。おおよそ60億で買収というのは大体公表されていると思いますが、すぐに決断してもらい、親会社がサイバーエージェントに変更となりました。 サイバーエージェントとのシナジーはすでにあって、表だっては見えないメリットがあります。まず、飲食店の元親会社から上場会社であるサイバーエージェントに変わった時点で、銀行の態度が全然違いました。今まで貸してくれなかったのに、どんどん物件を買っていいと言ってくれるようになりました。上場も、大和証券からエースの担当者がついてくれて、すぐに実現できました。 会社経営では、藤田社長のスピード感をよく学んでいます。ゲーム会社やIT企業は毎週売上を集計して見ていくのに対し、不動産会社は月次が翌月末にならないと分からず、対策が2ヶ月後になるようなのんびりしたところがあります。しかし、サイバーエージェント傘下に入ったからには、藤田社長のスピード感を取り入れる必要があるので、同じグループとしてそれを学んでいます。また、中長期的な目線で、目先の利益ではなく社員を大切にしながら成長することを藤田社長から言 われています。それがなければうちのグループではないと厳しく言われています。そういったことを受けながら、今やっと成長できているのかなと思います。 以上が、サイバーエージェントとの出会いと経緯になります。

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