質問

競合の水産ベンチャー企業との差別化ポイントは何か教えてください。また、ほかに競合になり得る水産ベンチャー企業があれば、そことの優位性、差別化についても教えてほしいです。

回答

競合する類似のベンチャー企業との差別化のポイントの前に、この領域に参入したときには既に水産ベンチャーは何社かあったと思っていますが、現状この領域での取扱高で、われわれは一つ頭が抜けている存在なのではないかと認識しております。後発にも関わらず 1 個頭抜けることができた背景は、まず一つは、既存の業界と適切な関係をつくってきたことは非常に意識してやってきています。 私が創業したときに、割とデジタルの力で古い産業を壊すというメッセージングでブランディングしているスタートアップが世界的に非常に多かったなと思うのですが、私の考えとしては生鮮流通、水産流通を最適化させるために使えるものはしっかり使うべきですし、アップデートするべきものはアップデートするべきだと考えました。具体的には、ソフトウェアについてはアップデートすることでバリューが出せるのではないかと思っていたんですが、東京都内にある豊洲市場のような物理的な場所であったり、日本各地整備されている港であったりは、今まで日本が国として投資してきたハードウェアであって、壊すべき対象ではなく積極的に活用するべきものと思っていました。元々参入時からこの業界と戦うより、自分が役割分担してやれるところをやる、できないところは連携していく発想でやってまいりました。その結果、業界の関係者とは非常に連携させていただき、関係性も非常に持てております。

やや話が逸れてしまうのですが、私は農水省の水産政策審議会の委員の 2 期目を務めさせていただいており、水産政策の検討過程にも関わらせていただくところに現状おります。そうした点も含めて広い視野で流通の発展に寄与できればと考えています。また、大田市場に関しては、子会社であるフーディソン大田の代表が仲卸組合の理事長を務めています。つまり大田市場の水産仲卸を代弁する役割も担っているということで、非常に責任がある立場もこの 10 年で担えるようになってまいりました。これも基本的には考え方として、その業界と戦うのではなく、連携していくことを一貫してやってきた賜物だと思っています。

具体的な競合との差別化ですが、大きな差分で言いますと、まず市場の中で免許を持っているか否か、ここは大きな違いなのではないかと思っています。有利なポジションで商品を調達する、もしくはその商品情報を入手することができる権利を持っていることの優位性、そして市場の中で物理的に場所を持っていることの優位性も効いているのではないかなと思います。

また、ビジネスモデルが異なる会社もあります。われわれは仕入れて売る、卸売のビジネスにテクノロジーを掛け算しておりますが、マーケットプレイス的にチャレンジされている会社もあるかと思っています。これはお客様のニーズ、特に中小飲食店のニーズを捉えたときに、われわれは適切なビジネスモデルを選択しているのではないかと考えています。 具体的には中小飲食店は、非常に少ない人数で忙しい仕事をされていらっしゃいます。その中で、マーケットプレイスで仕入れた際に、アジは A 社から、ブリは B 社から、卵は C 社から、ウニは D 社からと各社から仕入れをしていると、何かあったときにフォローしてもらうのに各社に問い合わせをする必要が出てまいります。そのような手間をかけたくないところから、飲食店さんからするとできれば仕入先はまとめていきたいという力が働いていて、何かあったときに一括で対応していける、われわれのようなビジネスモデルが相対的にはお客様にとってはユーザーフレンドリーなのだと考えております。その辺りの差がありまして、結果的にお客様には選んでいただいていると考えております。

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